こんばんわ。
豊田たいが皮フ科・形成外科・美容皮膚科院長の須藤大雅です。
前回に続き、今回はニキビ治療について詳しくお話していこうと思います。
まずは、ニキビの原因から話をしていこうと思います。
まずは解剖からお話していきます。

解剖:皮脂腺
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皮膚の付属器官のひとつで、毛穴(毛包)に付随して存在。
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顔(特にTゾーン)、背中、胸などに多く分布。
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皮脂を分泌する
次に、ニキビのできる原因についてです。
1.皮脂の過剰分泌
毛穴に付属する皮脂腺から、思春期になると、ホルモンバランスの変化(男性ホルモン、女性ホルモンの増加)で皮脂腺が活発化します。
増悪因子
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思春期:男性ホルモン(アンドロゲン)が活発になり、皮脂腺の働きが強くなります。
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女性:排卵後~月経前に黄体ホルモンが増えると、皮脂分泌が増えます。
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ストレス:副腎からのアンドロゲン分泌が増え、皮脂が多くなります。
2.毛穴のつまり


次に、古い角質がうまく剥がれず、毛穴にたまって「角栓」を形成。皮脂と混ざることで毛穴を塞ぎます。
所謂白ニキビです。
3.アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖


- 毛穴が塞がった状態で皮脂がたまると、アクネ菌が繁殖しやすくなり炎症を引き起こします。
- アクネ菌に対する免疫反応で、赤く腫れるニキビ(赤ニキビ、膿ニキビ)に進行します。
この段階になってニキビが出来たと自覚します。
以前までは、赤ニキビが出来た状態に抗生剤の内服(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)、外用(ダラシン、ゼビアックス、アクアチムなど)が用いられてきました。
現在のニキビ治療について(保険診療)
前述にもでた内容になりますが、以前(自分自身が思春期だったころ)のニキビ治療は、できてしまった『赤ニキビ』に対いて、抗生剤(ニキビの原因となる菌を殺す薬)入りの外用薬が治療でした。
しかし、長期的な抗生剤の使用による、細菌の「耐性」の問題が出てきます。
抗生剤などの薬剤に抵抗力を持った細菌を「耐性菌」といいます。
長期的な使用により、耐性菌が増え、徐々に効かなくなってくることもあります。
現在では、古い角質細胞を剥がすことで毛穴詰まりを改善するピーリング効果と、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌効果がある、『ディフェリンゲル』、『ベピオゲル』、『ベピオローション』、『ベピオウォッシュ』、『デュアック配合ゲル』、『エピディオゲル』を用いることで、ニキビの発生の初期段階で治療を開始し、長期的に使用することで、ニキビをできにくい肌状態にしていくことになります。
今回は『ニキビの原因~治療』までざっくりと紹介をさせていただきました。
ニキビでお困りの方は、一度当クリニックにご相談ください。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました



