
こんばんわ。
豊田たいが皮フ科・形成外科・美容皮膚科院長の須藤大雅です。
8月21日にマルホにて、外部講師としてお招きいただき、『当院のニキビ治療について』講演を行いました。
実際に当院でどのように治療を行っているか等について講演してきました。
現地での参加が困難な方はZoomでの参加となりました。
今回は当院でもご相談の多い、ニキビ治療について、ざっくりとお話していこうと思います。
現在のニキビ治療について(保険診療)
以前(自分自身が思春期だったころ)のニキビ治療は、できてしまった『赤ニキビ』に対いて、抗生剤(ニキビの原因となる菌を殺す薬)入りの外用薬が治療でした。
しかし、長期的な抗生剤の使用による、細菌の「耐性」の問題が出てきます。
抗生剤などの薬剤に抵抗力を持った細菌を「耐性菌」といいます。
長期的な使用により、耐性菌が増え、徐々に効かなくなってくることもあります。
2008年に、『ディフェリンゲル』が登場しました。
ディフェリンゲルの主な有効成分は、「アダパレン」になります。
ニキビは、まず毛穴の詰まりから始まり、白いプツっとしたできものができます。これを『コメド』、または『白ニキビ』と言います。その後細菌の増殖によって、赤ニキビになります。
今までの治療が赤ニキビに対する治療であったのに対し、アダパレンは、毛穴の詰まりが解消し、ニキビの原因となるコメドの発生を予防するといった効果があります。
更に、2015年に『ベピオゲル』が登場しました。
ベピオゲルの主な有効成分は、「過酸化ベンゾイル」になります。
過酸化ベンゾイルは、古い角質細胞を剥がすことで毛穴詰まりを改善するピーリング効果と、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌効果があります。過酸化ベンゾイルの殺菌効果については、耐性菌も作らないといった特徴があります。
2023年に剤型の異なる『ベピオローション』、2025年に『ベピオウォッシュ』が出ました。
また、2015年に過酸化ベンゾイルとクリンダマイシン(抗菌薬)が配合された合剤『デュアック配合ゲル』が登場し、2016年にアダパレンと過酸化ベンゾイルが配合された合剤『エピディオゲル』が登場しました。
これらの登場により、現在のニキビ治療は、ニキビの原因となるニキビの発生の初期段階で治療を開始し、長期的に使用することで、ニキビをできにくい肌状態にしていくことになります。
以上が保険診療についてになります。
中には保険診療では難治例や、更に肌状態を良くしたいと考えられている場合は、
ピーリング剤入りの洗顔や、アゼライン酸の入ったドクターズコスメがあります。
これらを、併用することにより、ニキビが更にできにくく、ニキビ跡の赤みにも有効です。
また、自費診療では、レーザーフェイシャル、ケミカルピーリング、ニキビ跡の凹凸にサブシジョン+ヒアルロン酸注入などが当院ではあります。
今回は『当院のニキビ治療について』の紹介をさせていただきました。
ニキビでお困りの方は、一度当クリニックにご相談ください。
次回からはもう少し詳しくニキビ治療についてお話していこうと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。