
こんばんわ。
豊田たいが皮フ科・形成外科・美容皮膚科院長の須藤大雅です。
本日は、昨年の10月から処方開始されてる『ブイタマークリーム』という薬の紹介です。
当院でも、アトピー患者様に多く処方されている外用薬の紹介です。
6月5日に鳥居薬品にて、外部講師としてお招きいただき、講演を行いました。
現地での参加が困難な方はZoomでの参加となりました。
ブイタマークリームの効果、どのように当院では使用、指導しているか、実際の副作用について講演してきました。
その後に、質疑応答がありました。
そしてここからは、講演させていただいた『ブイタマークリーム』という外用薬の紹介です。
アトピー治療において、非ステロイド性(ステロイドではないまたは、含まない)抗炎症薬の外用薬としては、プロトピック軟膏(1999年)・コレクチム軟膏(2020年)・モイゼルト軟膏(2021年)がありましたが、2024年10月にもう一剤『ブイタマー』が登場しました。
アトピーの治療は、ステロイドを使用することが定番です。
しかし、長期使用による皮膚の菲薄化、毛細血管拡張、感染症のリスク増加、ステロイド皮膚症(酒さ様皮膚炎、ざ瘡様皮疹など)などの副作用を引き起こす可能性があります。
もちろん、医師の指導の下、きちんと使用していれば、それほど心配いりません。
アトピーは長期治療を必要とする場合が多く、安心して長期治療ができる薬として登場しました。
プロトピック軟膏は、使用時に灼熱感(塗った際にヒリヒリ、チクチクあるいわ焼けるような痛み)を伴うことがありました。
その後、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏が登場し、刺激感が少なく、副作用も大変少なく、使いやすく当院でも良く処方しております。
そのような状況の中登場したのが、今回紹介する『ブイタマークリーム』という薬になります。
ブイタマークリームは、アトピー性皮膚炎(12歳以上)と診断されている患者さんに使用可能で、芳香族炭化水素受容体(AhR)を活性化することにより、皮膚の炎症を抑制するとともに、皮膚バリア機能を改善します。
自分自身が『ブイタマークリーム』におおいに期待してる点が2点あります。
クリームであることと、1日1回の塗布で良いことです。
前述の3剤が軟膏であったことに対し、クリームである為、べたつくことなく、伸びが良いです。
また、前述の3剤が、1日2回の塗布であったことに対し、1日1回の塗布で良い点です。
長期治療を必要とする患者様でも、1日2回(特に朝)の塗布ができない、またはべたつく為軟膏を塗るのを止めてしまい状態が悪くなってしまう患者様がどうしても一定数います。
このような患者様にブイタマーへの切り替えをしており、コンプライアンスの向上が見られ、状態が良くなる患者様が多いです。
しかし、良い点ばかりではなく、副作用があります。
「頭痛」です。なぜ頭痛が発生するかに関してはまだ詳細は分かっていないです。
また、「毛包炎」、「かぶれ」などの副作用の発生もあります。
副作用の発生が無ければ、大変つかいやすい外用剤で、当院でも多く処方させていただいてます。
今回は『ブイタマークリーム』の紹介をさせていただきました。
アトピーでお困りの方は、一度当クリニックにご相談ください。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。